ボルタレンは辛い生理痛に効く！その理由とは？

2017/05/25 2023/09/12

生理痛を抑えるために痛み止めを服用する女性は多いですよね。ボルタレンも、生理痛に効く痛み止めの一つです。では、ボルタレンはなぜ生理痛に効くのでしょうか。その理由と、ベストな服用タイミングについてまとめました。

強い鎮痛効果のあるボルタレン

ボルタレンは、NSAIDs（非ステロイド性抗炎症薬）に属する解熱鎮痛剤です。同じくNSAIDsに属する薬には、ロキソニン、アスピリン、バファリン、セレコックス、ナイキサンなどがありますが、ボルタレンはそのなかでも最も強力な鎮痛作用を有します。

ボルタレンは効果が強いため、ドラッグストアなどで購入できません。しかし、「市販の薬では効かなかったけれど、ボルタレンを飲んだら生理痛がおさまった」という女性はたくさんいるようです。

鎮痛剤として非常に優秀なボルタレンですが、デメリットもあります。それは、副作用が出る可能性が高いということ。副作用のなかでも胃腸障害は高い確率で起こるため、ボルタレンと胃薬を併用する場合も多いようです。ボルタレンの服用中に胃痛や吐き気、食欲不振などの副作用が生じたら、無理をせずに病院へ行きましょう。

ボルタレンには、普通錠（25mg）のほかにカプセル剤（37.5mg）もあります。カプセル剤は徐放錠のため、錠剤よりも効果が穏やかで効果持続時間が長いという特徴があります。すぐに効果を得たい場合は錠剤、慢性的に痛みが続く場合にはカプセル剤が向いているといえるでしょう。

ボルタレンの作用機序

細胞に刺激が加わると、細胞膜の脂肪酸からアラキドン酸が遊離します。そして、アラキドン酸はシクロオキシゲナーゼ（COX）という合成酵素の作用によりプロスタグランジン（PG）になります。プロスタグランジンは、痛みを生じさせる痛み物質。ボルタレンは、シクロオキシゲナーゼを阻害することによりプロスタグランジンの産生を抑制し、鎮痛作用を発揮します。

なお、プロスタグランジンには痛みを誘発する作用の他に、胃粘膜を保護する作用もあります。そのため、ボルタレンを服用すると胃腸障害の副作用が生じるのです。

生理痛の原因はプロスタグランジン

生理中は、子宮を収縮させることにより子宮内膜と血液を体外へと排出します。そして、このときに必要になる物質が子宮収縮作用のあるプロスタグランジン。しかし、プロスタグランジンの分泌量が多すぎると子宮収縮が過剰になり、腹痛の原因になります。生理中の下腹部が締め付けられるような痛みは、プロスタグランジンによるものなのです。

また前述したように、プロスタグランジンには痛み物質としてのはたらきもあります。そのため、生理のときにはお腹が痛くなるだけではなく頭痛や腰痛も生じるのです。

痛みの原因は様々なため、すべての痛みにボルタレンが効くわけではありません。しかし生理痛はプロスタグランジンが原因のため、ボルタレンを服用することによってしっかりと抑えることができます。ボルタレンの生理痛に対する有効率は80.8％なので、5人中4人はボルタレンで生理痛を和らげられるという計算になりますね。

ボルタレンの服用タイミング

ボルタレンは、プロスタグランジンの合成を阻害します。そのため、プロスタグランジンが過剰に合成されてから服用したのでは効果はあまり期待できません。大切なのは、痛みがピークに達する前からボルタレンを飲み始めること。2日目が一番辛いという人であれば、1日目からボルタレンを服用しておくことで辛い痛みをコントロールできます。

人によっては、毎月痛みをコントロールすることによって最終的に鎮痛剤の服用量を少なくできることもあるようです。生理痛がひどい場合には我慢せずに薬を飲んで、炎症をしっかりコントロールしていきましょう。