女性主体での避妊ができる!「女性用コンドーム」について【避妊率の高い避妊具とは】
望まない妊娠を避けるためには、正しく避妊することが必要不可欠です。世の中にはたくさんの避妊具がありますが、そのうちの1つが「女性用コンドーム」。使用している人は多くはないものの、他の避妊具にはないメリットがたくさんあります。
ここでは、そんな女性用コンドームについて詳しくみていきましょう。
女性用コンドームについて
女性用コンドームは、女性の膣内に装着してセックスをすることで妊娠を防ぐ避妊具です。男性用コンドームよりも大きく、初めて使用するときにそのサイズに驚く人は多いようです。
初めてアメリカで女性用コンドームが認可されたのは1993年とかなり前のことですが、今現在でも普及はあまり進んでいません。そのため商品の数も少なく、男性用コンドームのように様々なタイプが販売されているわけではありません。発売当初に比べるとデザインは洗練されてきてはいるものの、マイナーな避妊具であることには変わりないといえるでしょう。
しかし、その一方で女性用コンドームを求めている人がいることも事実です。それは、女性用コンドームにはたくさんの優れた点があるため。ここからは、そんな女性用コンドームの特徴や使い方、避妊率などについて解説していきます。
特徴
女性用コンドームの最大の特徴は、女性の意志で自ら避妊ができるということです。男性用コンドームを使用する場合は、男性側の協力が必要となります。しかし避妊に対する意識が低い男性がいることは事実であり、なかなか説得しきれないこともあります。また、たとえ男性用コンドームを装着してくれたとしても間違った使い方をしていると避妊の失敗につながります。
その点、女性用コンドームは女性主体でできる避妊方法であるため、自分の身を自分で守ることができます。望まない妊娠を防ぎたい女性にとって、心強い避妊具だといえるでしょう。また、男性がラテックスゴムにアレルギーがあるという場合でも女性用コンドームは使用可能です。
これは、女性用コンドームがラテックスゴムではなくニトリルゴムでできているため。なおニトリルゴムはラテックスゴムよりも強度が強いため、女性用ゴムは男性用ゴムに比べて破れにくいといわれています。
そして、女性用コンドームは避妊できるだけではなく、性感染症の予防にもなります。性感染症は若い人を中心に広がっていますが、悪化すると不妊などの重大な症状にもつながります。セックスをするときには、妊娠と性感染症の両方に気を付けるのが重要だといえるでしょう。
このような特徴から、女性用コンドームは「女性主体で避妊と性感染症予防がしたい」という女性に向いているといえます。特にパートナーの男性がラテックスゴムにアレルギーを持っている場合は、妊娠と性感染症を同時に防ぐ唯一の方法になります。購入する人が少ないため価格が高いことが難点ですが、検討してみる価値はあるといえるのではないでしょうか。
使い方
女性用コンドームの使い方は、以下の通りです。
1.女性用コンドームを、爪やアクセサリーなどで傷つけないように気を付けながら丁寧に箱から取り出します。
2.女性用コンドームの開口部を上にして持ち、内リングを底まで移動させます。
3.内リングを女性用コンドームの外側から持ち、開口部を下に垂らします。
4.人差し指を内リングの先端に添え、さらに親指と中指で内リングを挟んで押さえ、細長い状態にします。この方法が難しい場合は、手全体で女性用コンドームを包み込むような形で持って内リングを細長くします。
5.椅子に片足をかける、スクワットをするときのような姿勢になる、ベッドに横たわるなど、女性用コンドームを挿入しやすい態勢をとります。
6.女性用コンドームを持った手のひらを上に向け、もう一方の手で膣を広げます。
7.内リングを細くしたまま、ゆっくりと滑らせながら膣内に女性用コンドームを挿入します。
8.女性用コンドームの80%が膣内に入ったら、今度は内側から人差し指を入れて内リングを膣の奥まで押し込みます。
9.人差し指がほぼ完全に膣内に入るまでしっかりと押し込み、内リングを膣内に固定します。このとき、女性用コンドームの開口部は膣の外側に2~3cmほど出た状態になります。
10.外リングが膣の入り口周辺を覆うように広げます。これで、装着は完了です。
11.セックスのときには、ペニスがきちんと女性用コンドームの内側に入っていることを確認します。
12.セックスが終了したら、精液がこぼれないように気を付けながら女性用コンドームを膣内から引き出します。
13.使用後の女性用コンドームはしっかりと口を閉め、ゴミ箱に捨てます。
使用上の注意
・使用できる回数は1回のみ
女性用コンドームを使用できるのは、1回のみです。セックスをするときには、その都度新しい女性用コンドームを使用しましょう。
・使用期限を過ぎたら使わない
使用期限が過ぎた女性用コンドームは破れる危険性が高くなります。値段が高いため捨てるのをためらってしまう人もいるかもしれませんが、使用期限内に使わなかった女性用コンドームは破棄するようにしてください。
・他のアイテムとの併用に注意
男性用コンドームを併用すると、摩擦によって破れてしまう可能性があります。また、オイルベースのローションと併用すると稀に溶けてしまうことがあります。他のアイテムと併用するときには、必ず併用して問題ないかどうかを確認するようにしましょう。
・使用する前に必ず練習を
女性用コンドームの使い方は難しくはありませんが、初めて使用するときは装着に手間取ってしまうことがあります。いざというときに焦らないためにも、スムーズに装着できるように練習しておくことをおすすめします。
避妊率
女性用コンドームの避妊率は、約95%だといわれています。95%というとほぼ確実に避妊できるように感じられますが、逆にいえば失敗する確率は5%だということ。避妊率は低くはありませんが、特別高いわけでもないといえます。
使用方法を間違えたときに避妊に失敗するのは当たり前のことですが、正しく使用しても失敗することはあります。比較的破れにくい丈夫な素材でできている女性用コンドームですが、セックスの最中に破れる可能性はゼロではありません。また、精子があふれたり不良品が製造されたりする恐れもあります。どれだけ慎重に着用したとしても、一定数の失敗は起こるといえるでしょう。
名称変更の可能性も?
なお、女性用コンドームは膣だけではなく肛門にも装着できるため「女性用コンドーム」という名称ではあるものの、必ずしも女性だけを対象にした商品ではありません。このことから、FDA(アメリカ食品医薬品局)では名称の変更を提案しています。近い将来には、女性用コンドームが別の名前で販売されるようになるかもしれません。
避妊率の高い避妊具ってなに?
これまで女性用コンドームについて説明してきましたが、女性用コンドームよりも避妊率の高い避妊具を求めるのであればやはりおすすめは「男性用コンドーム」と「ピル」です。ここでは、男性用コンドームとピルの特徴についてみていきましょう。
男性用コンドーム
避妊具の中で、もっとも汎用されているのが男性用コンドームです。一般社団法人日本家族計画協会が行った調査によると、男性コンドームの使用率は82%。他の避妊方法を引き離して、ダントツの1位だということが分かります。
コンドームが選ばれている理由としては、コンビニエンスストアやドラッグストアなどで安価で手に入れられること、使い方が簡単であること、高い避妊効果があること、性感染症を予防できることなどが挙げられます。
ちなみに、コンドームの避妊失敗率は2%ほどだといわれています。しかし、これは正しく使用した場合のこと。実際にはコンドームを付けるタイミングの遅れやコンドームの破損、セックス後の精液の漏れ出しなどが原因で避妊に失敗してしまうことは少なくないようです。
ピル
ピルは女性ホルモンを含んだ薬剤で、服用を続けることで高い確率で避妊ができます。日本産婦人科学会が発表した「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」によると、正しくピルを使用した場合の避妊失敗率はわずか0.3%。避妊率を一番に考えるのであれば、ピルは理想的な避妊方法であるといえるでしょう。
また、ピルには避妊以外の嬉しい効果もたくさんあります。月経周期の乱れや月経痛、過多月経などを改善してくれるほか、卵巣がんや子宮体がんの予防にも効果的です。実際に、避妊目的でピルを飲み始めた女性の中には「ピルを飲み始めてから体調が良くなった」という人もいるようです。
ピルで避妊するときには、毎日一定時刻に1錠、21日間連続して服用します。その後は7日間の休薬期間がありますが、飲み忘れを防ぐためにプラセボ(有効成分を含まない錠剤)を服用します。飲み忘れるとピルの効果が得られなくなってしまうので、毎日コツコツと飲み続けることが大切だといえるでしょう。
自分に合った避妊方法を選ぼう
たくさんある避妊方法の中でも、ここでご紹介した「女性用コンドーム」「男性用コンドーム」「ピル」の3つは比較的確実性の高い避妊方法だといえます。女性主体での避妊を望むなら、女性用コンドーム。手軽に避妊と性感染症予防をしたいなら、男性用コンドーム。そして、少しでも避妊の確率を上げたいならピル。自分にとっての優先順位を考えながら、どの避妊方法が合っているかを考えてみてください。
また、複数の避妊方法を併用することも可能です。例えば、女性用コンドームとピル、あるいは男性用コンドームとピルを併用すれば、避妊率を上げながら性感染症を防げます。また、女性用コンドームと男性用コンドームは併用できませんが、シチュエーションによって使い分けることは可能です。このような選択肢も考慮しながら、ぜひ一度パートナーとよく話し合ってみてくださいね。
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