ピルの副作用まとめ
2018/07/29
「ピルで避妊をしたいけれど、副作用が怖い…」と、ピルの服用をためらっている人は少なくないのではないでしょうか。確かに、ピルにはいくつかの副作用があります。しかしそれだけではなく、避妊以外の効果もあるのです。
ここでは、ピルの副作用およびピルの避妊以外の効果についてご紹介します。
ピルで避妊ができるメカニズム
ピルには女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つが含まれており、体内のホルモンバランスを保ちます。これによって性周期の出発点である性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の分泌がなくなるため、排卵が起きなくなります。
また、ピルを飲むと子宮内膜が着床に適した状態にならなくなります。受精卵が着床するためには、子宮内膜が厚くて柔らかい状態になっている必要があります。しかし、ピルを飲むと子宮内膜が十分な厚さにならないため、妊娠の成立を阻止できます。
そして、子宮経管粘膜を変化させることもピルの重要な働きの1つです。精子は子宮頚管を通って子宮へと向かいますが、ピルを飲むと子宮経管粘膜に粘り気が出るため精子が通りにくくなります。
以上が、ピルで避妊ができるメカニズムです。毎日きちんとピルの服用を続ければ、ほぼ確実な避妊ができるといえるでしょう。
ピルの主な副作用
ピルを服用するなら、まずは副作用について正しく理解することが大切です。ここでは、ピルの主な副作用をご紹介します。
吐き気・頭痛・倦怠感
ピルの副作用で最も発現頻度が高いのが、「吐き気」「頭痛」「倦怠感」の3つです。これは、ピルの服用によって体内のホルモンバランスが変化することが原因。ピルを継続して飲み続ければ、ほとんどの場合は自然に解消されるようです。
不正出血
ピルを飲むと女性ホルモンの働きによって子宮内膜が作られ、この子宮内膜が剥がれ落ちることによって不正出血が起こります。つまり、メカニズムとしては生理とほぼ同様だといえます。飲み始めの頃の不正出血はそれほど問題ありませんが、3シートほど飲んでも不正出血がおさまらないときは病院での受診をおすすめします。
乳房の張り・痛み
一時的に乳房が張りやすくなり、痛みが出ることもあります。多くの場合はピルを飲み続けるうちに次第と落ち着いてきますが、なかなか改善されないときは医師に相談しましょう。他のピルに変更するなどの対処をしてくれるはずですよ。
むくみ
女性ホルモンには、体内から塩分が排泄されるのを防ぐ働きがあります。それに伴って水分も排泄されにくくなり、むくみへとつながります。
体重増加
ピルに含まれる女性ホルモンの影響で食欲が増すため、体重が増えやすくなります。ピルの服用中は、いつも以上にしっかりと食事管理をするようにしてください。
血栓症
ピルの稀な副作用の中で代表的なものが、血栓症です。これは、ピルには血液を固まりやすくさせる作用があるためです。血栓症はピルの服用を開始して最初の周期に発症する確率が高いといわれているので、その時期は特に注意してください。
ピルの避妊以外の効果
避妊目的で使われることが多いピルですが、実は他にもたくさんの効果があります。ここでは、それらの効果をみていきましょう。
生理痛の緩和
生理は、子宮内膜がはがれ落ちて体外に排出される現象です。しかし、ピルを使っていると子宮内膜が通常ほど厚くならないため、生理痛が緩和されます。さらに経血量が少なくなるのでナプキンを取り替える回数が減り、生理中のストレスが軽減されます。
生理不順の改善
ピルを使うと、生活習慣や精神的ストレスにかかわらずホルモンバランスが保たれるようになります。そのため生理周期が一定になり、生理不順が改善されます。
子宮内膜症の改善
子宮内膜症はひどい腹痛を伴う病気で、生理のたびに症状が進行するといわれています。ピルを服用すると排卵が抑制されるため、子宮内膜症の改善へとつながります。
月経前症候群(PMS)の改善
ピルを飲むとホルモン量が安定し、急激に出過ぎたり減りすぎたりすることがなくなります。PMSの症状によってイライラしたりだるくなったりすると日常生活に支障をきたすこともありますが、ピルを飲むことによってその悩みはすぐに解消できます。
子宮がんリスクの低下
生理による子宮の損傷は、子宮がんの原因になると考えられています。ピルによって毎月の生理が軽くなれば子宮に対するダメージも軽くなるため、子宮がんのリスクが減るとされています。
肌荒れの改善
肌荒れやニキビの原因の1つが、男性ホルモンです。ピルの中には男性ホルモンを抑制するタイプのものもあるため、美肌効果が期待できます。
ピルについて正しく理解しよう
ピルは副作用があるため、悪い印象ばかりが先行しがちです。しかし、副作用だけではなく良い効果もあることを見逃してはいけません。さらに、きちんとピルを服用した場合の避妊成功率はほぼ100%。コンドームよりもずっと確実に避妊できます。
大切なのは、ピルについて正しく理解することです。そのうえで、ピルを使用すべきかどうかをじっくりと検討してはいかがでしょうか。
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