アタラックスってどんな薬？メカニズムや副作用は？

2017/10/31 2017/11/16

アタラックスは、アレルギーによる皮膚のかゆみやじんましんなどに対して効果を発揮する医薬品です。また、不安や緊張感を和らげる効果もあります。ここではそんなアタラックスについて解説します。

アタラックスの作用メカニズム

アタラックスは抗ヒスタミン薬に分類される医薬品です。ヒスタミンが体内で結合する受容体としてはH1 受容体、H2受容体、H3受容体、H4受容体の4種類が知られており、このうち重要なものとしてはH1受容体とH2受容体の2つが挙げられます。H1受容体は脳や血管、平滑筋など、H2受容体は胃に主に存在しています。

そして、このどちらの受容体にヒスタミンが結合するかによって体内で異なる反応が起こります。H1受容体にヒスタミンが結合すると、血管拡張作用や平滑筋収縮作用、かゆみ、くしゃみなどが現れます。また、H2 受容体が刺激されると胃酸分泌作用が生じます。

この2種類の受容体うち、アレルギーに関係するのはH1受容体です。アレルギーの原因となるアレルゲン（花粉など）が体内に侵入すると、肥満細胞からヒスタミンが放出されます。そして、このヒスタミンがH1受容体に結合することによってアレルギー反応が起こります。これがアレルギー反応のメカニズムです。そして、アタラックスはヒスタミンが受容体に結合するのを阻止することによってアレルギー反応を抑えてくれます。

また前述したようにH1 受容体は脳にも分布しており、脳にあるH1受容体は脳の覚醒に関連があると考えられています。そのためアタラックスを服用すると鎮静作用が得られ、リラックスできます。アタラックスがアレルギーだけではなく緊張や不安の改善に対しても使用されるのはこのためです。

アタラックスの副作用

ここではアタラックスの副作用をご紹介します。アタラックスを服用するときには以下で紹介する副作用が起こる可能性があることを理解し、万が一のときにはすぐに対処できるようにしましょう。

主な副作用

アタラックスの主な副作用としては眠気、倦怠感、口渇などがあり、発現頻度はそれぞれ2.50％、1.09％、0.53％です。眠気は特に発現頻度が高いので、アタラックスの服用中は自動車の運転などは行わないようにしてください。

重大な副作用

稀ではありますが、アタラックスを飲んで重大な副作用を被ることもあります。ここでは重大な副作用とその初期症状をまとめたので、それらしき症状が現れたらすぐに病院で医師の診察を受けるようにしてください。

・ショック、アナフィラキシー
初期症状としてじんましんや胸部不快感、咽頭浮腫、呼吸困難、顔面蒼白、血圧低下などがあります。
・QT延長、心室頻拍
初期症状として心拍数の上昇などがあります。
・肝機能障害、黄疸
初期症状としてAST（GOT）、ALT（GPT）、γ-GTPなどの肝機能検査値の上昇、黄疸などがあります。
・急性汎発性発疹性膿疱症
初期症状として38℃以上の高熱、皮膚の赤み、小膿疱（白いブツブツ）などがあります。

アタラックスの種類と飲み方

アタラックスには、10㎎と25㎎の2種類があります。個人で購入して服用するときには、まずは10㎎を選ぶとよいでしょう。また、アタラックスによく似た医薬品としてアタラックスｐがありますがこの両者は基本的にはほとんど変わりません。しかしアタラックスｐのほうが新しく、飲みにくさの原因となる苦みがやや抑えられているといえます。

アタラックスの飲み方は、どのような目的で服用するかによって異なります。皮膚のかゆみやじんましんの改善を目的に使用するのであれば、1日30～60㎎を2～3回に分割して服用してください。また、不安や緊張を和らげる効果を目的に服用するのであれば1日75～150㎎を3～4回に分けて飲みます。まずは低用量から始め、症状によって適宜増減してください。

アタラックスはどこで購入できる？

アタラックスはドラッグストアで市販されている薬ではなく、国内では医師の処方せんがないと購入できません。しかし、病院に行く時間がなかなか取れないという人もいると思います。そんな人におすすめしたいのが、個人輸入です。個人輸入というとなにやら難しそうなイメージですが、実際にはネットショッピングと同じ要領で行うことができます。

しかし、処方せんなしで手に入らない薬ということはそれなりにリスクが高いということでもあります。個人輸入してアタラックスを服用するときは、かならず薬についてしっかりと理解したうえで用法・用量を守って飲むようにしてください。