フィンペシアの恐るべき副作用とは？他の薬との併用はNG？

男性の悩みといえば、薄毛や抜け毛ですよね。しかし、「どの育毛剤を試しても効果が感じられない」と嘆いている人も多いのではないでしょうか。そんな人にぜひ試してほしいのが、内服型の男性型脱毛症（AGA）治療薬である「フィンペシア」です。
 
医薬品を服用するにあたって副作用などのリスクが気になる人も少なくないですので、ここでは、フィンペシアの副作用や他の医薬品との飲み合わせなどについてまとめました。

発毛効果が期待できる内服薬「フィンペシア」

フィンペシアは、男性型脱毛症（AGA）の治療薬です。多くの育毛剤は頭に直接塗ることで薄毛にアプローチしますが、フィンペシアは毎日1錠を内服することで効果が得られます。
フィンペシアの作用メカニズムは、「5α還元酵素阻害」です。5α還元酵素は、男性型脱毛症の原因となるジヒドロテストステロンを生成するために不可欠な酵素です。この酵素を阻害することでジヒドロテストステロンの生成を阻害し、気になる薄毛や抜け毛を改善します。
 
なお、先に開発された薬はアメリカのメルク社から販売されている「プロペシア」です。フィンペシアは、プロペシアと同じ有効成分（フィナステリド）を用いて後から販売されました。そのため開発費用がプロペシアよりも安く、結果として薬価も安くなっています。どちらの薬も同程度の効果が期待できるため、日本でも多くの人がフィンペシアを選んでいるようです。

フィンペシアの主な副作用

フィンペシアを服用するうえで必ず知っておかなければいけないのが、副作用についてです。ここでは、フィンペシアの副作用を一つひとつみていきましょう。

性欲の減退

フィンペシアの副作用の中で最も発現頻度が高いものが、性欲の減退です。プロペシアの臨床試験では、1.1％の人に性欲減退の症状がみられたと記載されています。また、ネットの口コミでも「フィンペシアを服用してから性欲が衰えた」という声がちらほら見受けられます。
 
性欲の減退は生活の質に直結し、特に子作りをしている場合は大きな問題になります。「子作りをするときに服薬をやめればいい」と考える人もいますが、副作用が長引くこともあるので注意しましょう。

勃起機能不全

性欲の減退の次に多い副作用が勃起機能不全、いわゆるEDです。もしかしたらと思ったら、重症になる前に医師に診てもらってください。フィンペシアはED治療薬と併用できるので、バイアグラやシアリス、レビトラなどで対処が可能です。
 
なお、勃起機能不全は「フィンペシアを飲んでいるから性機能に影響が出るかもしれない」という不安が原因で発現することもあると考えられています。一度フィンペシアを飲むと決めたのであれば、副作用について気にし過ぎないことも大切だといえます。

肝機能障害

フィンペシアの最も恐ろしい副作用が、肝機能障害です。フィンペシアは多くの医薬品と同様に肝臓で代謝されるため、服用を続けることで肝臓に負担がかかってしまうのです。肝機能障害は自覚症状に乏しいことが難点ですが、徐々に疲れやすさやだるさを感じるようになります。
 
肝機能障害の発現頻度は決して高くはありませんが、万が一発現した場合のリスクが非常に大きく、最悪の場合は肝不全になることもあります。心配な人は、念のため肝臓の数値を定期的にチェックするようにしてください。

精液の質の低下

フィンペシアを飲んでいると、精液の質が低下することがあります。具体的には、精液量の減少、精子濃度の減少、精子運動量の低下、精子の形態異常などです。性行為そのものは通常通り行えるため、副作用が出ていることに気付かないケースが多いかもしれません。
 
プロペシアの添付文書には「本剤の投与中止後に、精液の質が正常化又は改善されたとの報告がある」とあります。しかし、注意すべき副作用であることには変わりないといえるでしょう。

その他の副作用

フィンペシアのその他の副作用としては、以下のようなものが挙げられます。
 
・アレルギー
・睾丸の痛み
・乳房の肥大化
・乳房の痛み
・抑うつ症状
・めまい
 
これらの副作用の発現頻度は、決して高くはありません。とはいえ可能性はゼロではないので、フィンペシアを服用するときには「稀な副作用が出ることもある」ということを頭に入れておいてください。

フィンペシアの副作用は服用を中止すれば治る？

何らかの副作用が出てフィンペシアの服用を中止したとしても、すぐに症状が改善されるとは限りません。フィンペシアの服用中止後も後遺症として副作用が残ることがあり、これは「ポストフィナステリド症候群」と呼ばれています。2011年にアメリカのジョージ・ワシントン大学から発表された論文によると、ポストフィナステリド症候群になった患者さんのうち20％以上は6年間以上副作用に悩まされているようです。
 
ポストフィナステリド症候群の一番の問題点は、原因が明らかになっていないということです。原因が分からないため、治療法も確立されていません。そのため、ポストフィナステリド症候群の症状がいつ改善されるかは誰にも分からないのです。
フィンペシアの副作用の中でも発現しやすい「性欲の低下」や「勃起機能不全」は、男性にとって重大な問題です。
 
中には、この副作用が原因で抑うつ状態に陥ってしまう人もいます。もちろんフィンペシアを服用した人全員に副作用が出るわけではありませんが、薬の服用をやめれば副作用が治るわけではないので、服用を開始する前にリスクについてもよく考えることが大切だといえるでしょう。

他の薬との相性は？アルコールは危険？

フィンペシアは、基本的にどのような薬とも併用可能だといわれています。そのため、フィンペシア服用中に風邪薬などを飲むことには問題はありません。とはいえ、ほとんどの薬は肝臓に大なり小なり負担をかけます。飲まなければいけない薬の量が多い場合は、フィンペシアを飲み始める前に医師に相談するといいでしょう。
 
またフィンペシアは飲み合わせの悪い食べ物や飲み物もなく、フィンペシア服用中にアルコール摂取をしてもそれほど問題はないといわれています。しかし、できればフィンペシア服用中はアルコールを控えることをおすすめします。
 
その理由の1つ目として、「アルコールは薄毛の原因になる」ということが挙げられます。薄毛の改善のためにフィンペシアを服用していても、アルコールを飲んでいたらその効果は下がってしまいます。少しでも早く薄毛を改善するためにも、できるだけアルコールは控えたほうがいいでしょう。
 
また、過度のアルコール摂取は肝臓を傷める原因になります。そのため、フィンペシアを服用しながらアルコールを摂取すると肝機能障害になるリスクが高まります。お酒が好きな人も、フィンペシア服用中はほどほどにするようにしてください。

女性がフィンペシアを触ると危険って本当？

フィンペシアは男性脱毛症（AGA）の治療薬であり、女性が服用する医薬品ではありません。それでも「フィンペシアは女性に危険」といわれるのは、触るだけでも影響が出る可能性があるからです。
 
前述したように、フィンペシアは男性型脱毛症（AGA）の原因となるジヒドロテストステロンの生成を阻害する薬です。しかしジヒドロテストステロンは薄毛を引き起こす一方で、胎児の男性器を形成するという大切な役割も担っているのです。
 
そのため妊娠している女性の体内にフィンペシアの成分が入ってしまうと、胎児が男児だった場合に男性器に異常をもって生まれてきてしまう恐れがあります。「飲まなければ大丈夫」と思う人もいるかもしれませんが、フィンペシアの成分は皮膚からも吸収されるので十分に気を付ける必要があります。
 
特に注意したいのは、フィンペシアを落としてしまった場合などです。このときに何も知らない女性が触ってしまうと、フィンペシアの成分が体内に入ってしまう可能性があります。女性と同居している場合は、念のためフィンペシアに関する情報を共有しておくことをおすすめします。

フィンペシアに使用される「キノリンイエロー」とは

医薬品を製造するときには、様々な添加物が使用されています。そして、フィンペシアの添加物の中で一時話題となったのが「キノリンイエロー」です。
キノリンイエローは、タール色素の一種です。タール色素というと発癌性のイメージがありますが、これには色々な種類があり、タール色素であれば必ず発癌性をもっているというわけではありません。キノリンイエローに関しての発癌性は認められておらず、日本では化粧品や医薬品への添加が認められています。
 
そのため、キノリンイエローを医薬品の添加物として使用することは法律上問題ありません。完全に安全性が確立されているわけでもないため食品への添加は禁じられていますが、医薬品に使用される添加物の量は微量です。キノリンイエローを使用したフィンペシアを服用しても、それほど心配する必要はないといえるでしょう。
 
しかし「タール＝発癌性物質」というイメージがあることから、フィンペシアの服用を危惧する声がネット上で広まりました。そのため、フィンペシアを製造しているインドのシプラ社はキノリンイエローを使用していないフィンペシアの製造を開始しました。現在世に出回っているフィンペシアは、古いものを除いてキノリンイエローフリーとなっています。

フィンペシアを服用するときには副作用に注意

フィンペシアは、男性型脱毛症（AGA）による薄毛や抜け毛の改善に効果的な医薬品です。実際に、多くの人がフィンペシアによって長年の悩みを解消しています。しかし、その一方で副作用などのリスクがあることもまた事実です。
 
一番大切なことは、副作用についてあらかじめ理解を深めておくということです。リスクを知らずに飲み始めると、後から「こんなはずではなかった」となってしまうかもしれません。購入する前に必ず副作用を確認し、体調に異変が生じたときにはできるだけ早く医師に診てもらうようにしてください。
 
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