エスゾピクロンの効果とは?添付文書を理解しよう
2017/04/27
エスゾピクロンは、超短時間型睡眠薬であるルネスタの成分です。薬を服用する時には、薬効や副作用などについて理解していることがとても大切。ルネスタの添付文書の中身をみていきましょう。
エスゾピクロンの効果
エスゾピクロンは超短時間型の睡眠薬で、服用後およそ10〜15分程度で効果が現れ始めます。そして、血中濃度が最高になるのは約1時間後。その後は徐々に効果が弱くなり、5〜6時間後にはかなり効果が弱くなっています。
そのため、エスゾピクロンはベッドに入ってもなかなか眠りにつくことができない入眠障害や、一度眠っても夜中に目が覚めてしまう中途覚醒の改善に効果的です。効果の持続時間は長くはないため、起床したい時間よりも2時間以上早く目が覚めてしまう早朝覚醒やしっかり熟睡できない熟眠障害で悩んでいる人には向いていないといえるでしょう。
エスゾピクロンの作用は?
人間の脳には、脳の抑制にかかわる受容体が存在します。これが、「ベンゾジアゼピン受容体」。この受容体が刺激されると、脳の神経がしずまり眠気が生じます。エスゾピクロンは非ベンゾジアゼピン系受容体とも呼ばれ、ベンゾジアゼピン受容体を刺激することによって睡眠薬としての効果を発揮します。
ベンゾジアゼピン受容体にはω1受容体とω2受容体の2種類があり、それぞれ働きが異なります。
ω1受容体を刺激すると催眠作用が現れ、ω2受容体は抗不安作用や筋弛緩作用に関連しています。薬でω1受容体とω2受容体の両方を刺激してしまうと、ω2受容体の筋弛緩作用が副作用に繋がってしまいます。そのためエスゾピクロンはω1受容体に選択的に働くよう改良されており、安全に使用することができます。
エスゾピクロンの添付文書情報
添付文書には、服薬指導では教わらない細かい情報がたくさん記載されています。ルネスタの添付文書の情報を、一つ一つ確認していきましょう。
警告
添付文書の一番最初に記載されているのは、禁忌です。赤字で書かれているこの部分は非常に重要なので、しっかりと把握しておく必要があります。
ルネスタの警告には、服用後にもうろう状態や夢遊病のような状態が現れることがある、と記載されています。
また、ルネスタを服用してから眠りにつくまでの記憶や中途覚醒時の記憶がないことがあるようです。自分がルネスタを服用する時はもちろんのこと、家族が服用している時も注意して起きましょう。
禁忌
ルネスタに含まれている成分やゾピクロンで過敏症を起こしたことがある人、重症筋無力症の人、そして急性狭隅角緑内障の人はルネスタを服用することはできません。ちなみに、ゾピクロンとはアモバンのこと。アモバンを服用した時に過敏症の症状が出た人は、ルネスタも使用することはできません。
また、呼吸器に問題がある人も原則禁忌となっているので、喘息持ちの人などは必ず医師に相談した上で服用するようにしましょう。
用法および容量
ルネスタには、1mg、2mg、3mgの3種類の錠剤があります。成人の通常の服用量は2mg、高齢者であれば1mg。通常量で十分な効果が得られない場合は、適宜増量していきます。最大投与量は成人で3mg、高齢者で2mgとなっています。
また、食事中や食直後の服用は避けましょう。食事とともに服用すると、効果が下がってしまう恐れがあるためです。エスゾピクロンを服用する時は、就寝の直前には食事をしないことをおすすめします。
副作用
安全性が高いといわれているエスゾピクロンですが、それでも副作用がないわけではありません。副作用の中で、最も発現頻度が高いものは味覚異常です。エスゾピクロンはゾピクロン(アモバン)よりも口内の苦味が少ないといわれていますが、それでも気になる人はいるようです。どうしても辛い場合は、医師に相談してみましょう。
また、傾眠などの症状が出る人は全体の10%程度。これは、起床した後もエスゾピクロンの作用が持続していることが考えられます。傾眠の症状がある場合には、車の運転や危険な作業は避けましょう。傾眠がひどい場合には、睡眠時間を長めにとる、エスゾピクロンの容量を減らす、薬を変えるなどの対処が必要になります。
稀に起こる副作用には、アナフィラキシー様症状、依存性、呼吸抑制、肝機能障害、精神症状、意識障害、一過性前向性健忘、もうろう状態などがあります。これらの副作用を避けるためには、服用方法をきちんと守ることです。また、身体に異変を感じた場合は放置せずに病院で診察を受けるようにしましょう。
エスゾピクロンのジェネリック医薬品はハイプナイト
エスゾピクロンの商品名はルネスタ、そのジェネリック医薬品はハイプナイトです。ルネスタは処方箋医薬品ですがハイプナイトは日本では未承認医薬品のため、聞いたことがない人も多いかもしれません。
医薬品はコストが嵩むから、できればジェネリック医薬品を購入したいという人もいますよね。そのような場合は、ハイプナイトを個人輸入することができます。個人輸入であれば病院に行く手間も省けるので、忙しい人にとっても非常にありがたいですね。
ハイプナイトは未承認医薬品のため日本での添付文書はありませんが、主成分はルネスタと同じです。ハイプナイトを服用する時には、ルネスタの添付文書も参考にすると良いでしょう。
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