ヒルドイドクリームはニキビやニキビ跡に効くの？

2017/03/27 2020/09/23

ヒルドイドクリームは、マルホ株式会社が製造している保湿剤です。皮膚のカサつきやしもやけなどに効果がありますが、ニキビやニキビ跡にも効果があるといわれています。

ヒルドイドクリームのニキビへの効果

ヒルドイドクリームには、ヘパリンに似たヘパリン類似物質という有効成分が含まれています。ヘパリンとは人間の体内で作られるムコ多糖類の仲間で、人体に欠かせない成分です。

ヘパリン類似物質はヘパリンと同様に抗炎症作用や保湿作用があり、それによってニキビを改善します。

抗炎症作用

ヘパリン類似物質は、抗炎症作用により炎症を起こしたニキビを沈静化させます。また、ヘパリン類似物質の抗炎症作用は肌荒れにも効果があります。

保湿作用

皮膚が乾燥すると皮膚のバリア機能が低下し、それを補うために肌が皮脂を分泌します。これが、大人ニキビの原因です。ヘパリン類似物質は水と結合しやすい性質を持つため優れた保湿作用があり、ニキビの改善を促します。

保湿作用を持つ他の製剤としては、ワセリンや尿素クリームなどが挙げられます。ワセリンは被覆性が高い反面べたつくことがあり、尿素クリームは刺激を感じることがあるのが特徴です。

ニキビケアで使う時の使い方

ヒルドイドクリームの使用頻度は、１日１回から数回となっています。まずは１日１回、入浴後に使用してみることをおすすめします。入浴の際、塗布する部分はしっかりと洗うようにしましょう。

ヒルドイドクリームを塗布する時には、ニキビができている部分はもちろんのこと、肌が乾燥している部分にも塗り込んでいくと良いでしょう。ニキビを予防する効果が期待できます。
毎日使用すれば、１週間ほどで効果が出てきます。ちなみに、ヒルドイドクリームで治すことができるのは赤ニキビのみ。ヒルドイドクリームには殺菌効果はないため、白ニキビや黒ニキビの改善は期待できません。

ヒルドイドクリームの使用開始後、しばらくは様子をみることをおすすめします。４週間ほど使用を続けても効果がみられない場合は、使用を中止して医師に相談しましょう。

ヒルドイドクリームのニキビ跡への効果

ヒルドイドクリームは、ニキビだけではなくニキビ跡にも効果があります。その効果のワケは、やはりヘパリン類似物質。ヘパリン類似物質には抗炎症作用と保湿作用の他に血行促進作用があり、この作用がニキビ跡を治す効果を発揮します。

血行促進作用

ニキビ跡がなかなか治らないのは、肌のターンオーバーがきちんと行われていないことが原因です。ターンオーバーとは、肌の生まれ変わりのこと。肌が正常な場合は、２８日周期で行われています。しかし、ほとんどの人はターンオーバーの周期が２８日より長くなってしまっています。

ヘパリン類似物質は、血行を促進して肌に必要な栄養素を届けることによってターンオーバーを早くします。ターンオーバーの周期を正常に戻すことによって皮膚が修復されるので、ニキビ跡も治りやすくなります。

効かないニキビ跡はある？

血行を促進することでニキビ跡を改善するヒルドイドクリームですが、残念ながらクレーターには効きません。クレーターとは、ニキビが治った後に肌が凹んでしまった状態のこと。針で突き刺したようなアイスピックタイプや断面が半円になっているローリングタイプ、凹んでいる部分が平らになっているボックスカータイプなどがあります。

クレーターができてしまうのは、ニキビが炎症を起こしたときに毛穴周辺の組織を破壊してしまうことが原因です。これによって炎症の広がりを抑えることができますが、肌はでこぼこになりクレーターになってしまうのです。

ヒルドイドクリームに限らず、クレーターを治すことができる塗り薬はありません。できてしまったクレーターを治すための最も一般的な方法は、フラクショナルCO2レーザーです。しかし、施術をするときに一時的に肌を傷つけるため、肌が弱い人には向きません。

大切なのはニキビができないようにすること、そしてニキビができた場合にはクレーターにならないよう悪化を防ぐことです。普段からこまめなケアを心がけることで、クレーターのない綺麗な肌を保つことができます。